シュルティボックス


 このシュルティボックスは、声を出す時に、音を出し続けてくれるドローンの役割をしてくれます。空気を取り込み、鍵盤のように配置されたペグを動かしたときに空いた穴から空気が出ることで音をつくることができます。木の箱の向こう側は、小さな蛇腹になっていて片手でパフパフ動かして空気を出し入れすることができます。
柔らかい懐かしい音がします。 

 私たちの身体も、空気を取り込み、それから呼気として吐き出す時に身体の様々な部分を調整しながら振動させて声を出しています。どこか親しみを感じてしまうのは基本的な仕組みが共通しているからなのかなと、思ったりしています。とてもシンプルな構造で、音の操作はわかりやすいです。ドローンとしての役割をするときに使いやすい楽器です。

 私たちは話す時や、歌を歌う時、想いを伝えるための言葉やフレーズに意識を向けているので、呼吸は短くなりやすいことがよく見られます。意識的に声をゆっくり、ながく出そうとしていくことで呼吸は深くなります。声を出す時に、このシュルティーボックスで作りだしたドローンを聞きながらやることで、安心して楽に声を出すことができるようになります。こうして声を出すことは、またよく聴くことを促します。意識的に深く呼吸し、ゆっくりと声を出していると、自分の身体の声を深く聴いていく体験を積み重ねていくことができます。身体の調子、健康と、心の状態に良い影響をもたらすことができます。

 ドローンとは、「継続的なトーンのことで、和音の中心を確立し、多くの部分的な和音と反響を引き寄せる。」と「声を自由に!!」歌うことであなたの人生を豊かにする声のヨガ(シルビア・ナカッチ著 中野佐知子訳)に説明してあります。

 「声を自由に!! 歌うことであなたの人生を豊かにする声のヨガ
  Free Your Voice   Awaken to Life Through Singing」
  シルビア・ナカッチ著  中野佐知子訳
  一般社団法人 アーツ・コミュニケーション・ラボ  編集・発行