トロント CNタワーを見上げる/手前には高層ビル 2006年写真(CNタワーには行く機会を持てなかったので写真のみ)

行ってみたい国はどこ?と聞かれると、その候補の中に必ずカナダは入っていた
ぼんやりと、いつか行ってみたいと思っていた
私が持っていたカナダのイメージはとにかく大きな自然
大自然の中にすっぽりと入って過ごしてみたいと思っていた
ところが
初めて飛行機でカナダに行ったのは大都市のトロント
後になってわかったのは、同じ子育て支援の視察などでいくときに
バンクーバーに行くことがあるとのこと
ずいぶん違う体験になるという
なるほど北アメリカ大陸の西と東に位置する都市は自然などの姿にも大きな違いがある
それはどこでも同じ、
私たちの国もずいぶん地方によってその自然や人々の生活様式に違いがある
そういうもの、だから、ひとは面白いし、豊かだなのだなと思う

このトロントでの体験は、これからの日本を考えるときに大切なことを教えてくれた
何回かに分けて書いていこうと思う

「7世代先を考える」視点 と だれでもそれぞれが尊重されること

カナダでは、「日本や中国などのように長い歴史を持っていないのです」と言われる
カナダは、それぞれ異なる背景を持つ人々によってつくられている多民族多文化国家である
サラダボウル、モザイクのような国とも表される
私は、この、サラダボウル、モザイクのような国ということを
それぞれの持ち味がそのまま生かされて全体の美しさをつくることができていると受け止めた
公用語は英語とフランス語が挙げられる
公共施設ではさらに状況に応じた多くの言語に対応した文書を用意している
カナダという国がつくられている歴史的背景があることと、
それぞれの文化や生き方などを大切にしていくことによってつくられた国のあり方がある
カナダの大地にはずっと先住民の暮らしがあった
先住民と共に学び伝えつくっていることを知ることができる一つに
「7世代先を考える」視点を大切にした取り組みがある
今生きている世代やそこにつながる世代のみではなく、「7世代先を考える」ということ
この視点、
とりわけ子育て支援について話してくれた方から伝わった
「今直面している問題や利益にばかり目を向けるのではなく、7世代先の子どもたちや人々がどのように生きていくことが幸せにつながるかを考えることが大事。そこに取り組むために努力することは未来への投資となり、結局は今の社会を助けることになる。」というようなこと
経済的にも、今の問題の解決にだけ追われるのではいつまでたっても予算は膨れ上がるばかりだが、効果がすぐには見られないようでいても、長い先のよりよい状態をつくっていくための取り組みをつくっていくことに予算をかける必要があると。このことは、カナダにおいて決して簡単ではないと力を込めて話していた。たくさんの問題に取り組んでいる政府や自治体は、このことに絶えず向き合うことを求める市民や取り組んでいる団体などの行動によってかろうじてつながっている現状なのですと。だから、気を緩めることはできないと話していた。
実際に、こうして草の根といわれる市民の取り組みが政策として根付いていたことがいくつもみられる。私が学んだ子育て支援の一つ「Nobody’s Perfect プログラム」もカナダ保健省によって全土で行われるようになっていった。
Nobody’s Perfect プログラムについては改めて書くことにする。
「7世代先を考える」
トロントは世界の中で経済的にも大きな都市であり、文化都市であることが、写真のCNタワーからも伝わる
同時に、アメリカ合衆国と隣接し様々な問題に取り組んでいる都市でもある
様々な苦悩を抱えた都市でもある
トロント市内を移動するときに出会う
街角に居場所を求めてたたずむ人々、
アルコールなどの問題を抱えていると思われる人々、
これがマンションとおもわず見上げた超高層ビル、そのかなで子育てをする人々
経済的な問題で教育を受けることができない人々、
健康問題を抱え、医療的なケアを受けることができない人々
地域的、文化的、孤立がもたらす影響
若年層の妊娠出産育児などで教育や経験の機会が得られないことから生じること
等々
そして、
これらのことに取り組む人々の姿がある
底流のように流れるひとりひとりを尊重して実践しようとする考えがある

どんな人もそれぞれの立場を尊重されながら、
その人のよりよい人生を生きることができるようにする

「7世代先の子どもたちや人々」を考えて、今をよりよい状態にしていく

人権尊重という言葉が、実際に日々の中に生きていることを教えられた
人権尊重、一人一人が尊重される、具体的にはどうすることがそうなるのかを考え実践し続ける
7世代先の時に向かうこと、そのときをつくるために何をしたら良いかを考える力


7世代先の時に向かうこと、そのときをつくるために何をしたら良いかを考える力

どれくらい先のことをイメージするのだろう
100年先?
200年先?
300年先?
そこにつながっているのは、
自分につながるいのちの存在
なんらかでつながりかかわりをもっている

ひとりひとりがそのひとらしく自分自身をよりよく生きることを尊重して
そのために
なにを
どのようにしたらいいか
それは理想だからとか
現実的にはむずかしいからとか
ただの言葉として掲げているのではなく
今の自分のいのちとときにつなげて
できることを考えて実践していく姿がある

この力を
私たちは自分自身に持つことができる
私たちはこの力を育てることができる
そう思うことができた

トロントの子育て支援施設で見つけた写真を載せておこう