わたしたちは、地球に生きてあるためにこの体をもって生まれてきました。生まれる前は、母親の胎内で太古から続く海である羊水に抱かれ、母親の体が生み出す様々な音に包まれて10か月を過ごします。初めは小さな小さな細胞でした。その小さな小さな細胞は多くのいのちの姿を通り抜けて人として生まれてくるために驚くほどの変化を遂げ続けます。ただただ人として生まれるために。これほどの変化を護り続ける母体は本当に素晴らしい。そして、その母体を護る人そのものも素晴らしいのです。
その小さないのちは4か月にもなると音を聴きくことができるようになります。母親の胎内で聴く音は、小さないのちにとって、世界の全てでした。母親自身が生きている音、生きて生活をしている音、まわりと関わりながら作りだしている音でした。
この小さないのちは、月が満ちると生まれて生きるために産道を通り抜けます。暖かく心地良い太古からの海に漂い包まれていた子宮から、しっかりと強い体への刺激を感じながら細い産道を通り抜けて、明るい光の世界へ誕生します。それは、初めて空気に包まれ、初めて空気を肺に迎え入れる瞬間でした。この世界には、空気が満ちていたのです。周りに響き渡る産声は、この地球上に誕生したいのちの声でした。地球に生まれ生きていく、肺呼吸を開始した証でした。この呼吸は、いのちが地球上での経験を全うする最後の瞬間まで続けられます。
私たちいのちは、この地球の大気が体のすみずみにいきわたることを必要としています。この地球とともにあるのです。この地球が誕生してから46億年をかけてつくりだした大気は、地球上の全ての存在とともに調和していました。私たちひとりひとりにつながるいのちはみな、この大気を呼吸して、つなぎ、生きてきました。そして、これからも、いのちはみな地球とともにあります。地球に誕生して、肺にこの地球の大気を迎え入れる初めての呼吸をよろこびとともに感じられるように。そして、胎内で聴き続けてきた音のつながりが、この地球での新しい日々に、小さないのちの感覚と体験につながり嬉しいものであるように。今生きている私たちは、自分自身を生きていくつながりを大切にしていきたいものです。
つながるいのち
*いのちのつながりは いのちが生きる喜びを知るひとつひとつのなかにあります。それは、成長、発達し、経験をして生きていく一つ一つのなかにあります。
*いのちのつながりは 自分自身を知り、つながることにあります。
*いのちのつながり それは地球にあるいのちたち、地球とのつながりであります。
*いのちのつながりは ひとつのいのちがなつかしいいのちのひびきとつながることであり、そのいのちとともにあるつながりであります。
*いのちのつながりは いのちがみな大切であり、それぞれのいのちによって豊かであることを知り、ともにあることをつくりだす力です。
*いのちのつながりは ひとつのいのちが つぎにつづくいのちにつながり つながっていくことであります。
*いのちのつながりは そのいのちの深まりの中で、大いなるひろがりのみなもとにつながってあることにあります。
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つながるいのち とは、これらすべてを含んでいると考えています。
もちろん、年齢や人生のそれぞれの場面やタイミング、一人一人の状況で一律に考えることはできません。同時にまた、一つ所だけ取り出して、切り離して考えることもできないのです。
ひとのいのちのつながりは、ゆたかで多岐にわたり、そして、本当に大切なことです。
ひとは素晴らしいです。
つながるいのちのメソッドは、このことを考え取り組むことになります。