レウイシア::北アメリカ原産の耐寒性多年草。多肉質な葉っぱを持つ。高山植物の仲間。

おばあちゃんになりました。
 今まで、仕事で出かけた先の保育園や幼稚園で「だれのおばあちゃん?」と声をかけてくれれる可愛い子どもたちに「○○ちゃんのおばあちゃんだよ」と、自分の子どもの名前を言っていました。すると、聞いている子どもたちは「ふうん、○○ちゃんのおばあちゃんか」とか、「○○ちゃん?・・・」とか、それぞれの反応を返してくれているのを、楽しんでいる私でした。
頭には白い髪がたくさんある私は、どう見ても、子どもたちには「おあばあちゃん」にみえるよな。と、どこかで、自分はおばあちゃんになっていることを受け入れているところがあったのです。

1月末に、娘が出産して、本当におばあちゃんになりました。

 出産の予定が近づいてくると、自分の中で一つの確かめたいことが明確になってきました。それは、孫の可愛さってどういう感じなのか・ということ。よく「目に入れても痛くないほど可愛い」と聞くのですが、その実感がよくわかっていませんでした。自分は、どう感じるのだろうか。本当に「目に入れても痛くない」ほどに可愛いと思うのだろうか。と、自分自身の変化がどう生じるのか、あまり変わらないで淡々と「皆子どもは可愛いものよ」などと言うのだろうかと、自分自身に興味を持ちはじめていました。

赤ちゃんが生まれた
「ようこそ、生まれてきてくれてありがとう」

「陣痛が来たので、病院に行きます」「たぶん、午前中に生まれると思います。」
早朝に入ってきたラインの連絡を見て、ソワソワし出したものが自分のなにありました。午前中の仕事を、いつものようにこなしているようでいて、どこかいつもと違う。淡々としているようでいて、なんどもふと空をみたりする。その空は遠くの方につながっているのでした。
 お昼過ぎ、息子が運転する車で一緒に高速道路を病院に向かいました。病院に着くと、少し緊張して部屋に入りました。陣痛から出産までの時間を考えると安産でしたが、初めての大仕事を終えた娘の表情は清々しく、また、疲れも見られ、いつも見て知っている娘の表情と違い、すこし胸が熱くなりました。そこに、生まれて数時間の赤ちゃんを連れてきてくれました。小さめに生まれたけれども、しっかりとしていて存在感があるそのいのちに、思わず声をかける自分がいました。抱かせてくれたその腕を通して伝わるいのちの存在。
「ようこそ。よく頑張って生まれてきてくれたね。こんにちは。」
「ほら、おかあさんよ」「ほら、おとうさんよ」と言って、なったばかりの父親と母親に顔を向けて見せようとすると、そうしていると、赤ちゃんが目を開けようとしたのです。そして、目を開けて見ようとしている、そう、見ようとしていると思ってしまった自分がいました。
ちょうどその時入ってきた助産師さんが、「おや、もう目を開けたの?」と言って、声をかけてくれたのをきいて、なんだか、誇らしく、うれしい気持ちが満ちてきたのでした。
 そのあと、いったん家に戻り、退院した後すぐは父親の方のおばあちゃんが手伝いに来てくれ、それから、一週間して、私のおばあちゃん初仕事、初体験がはじまりました。

ただそのままに生きようとしているすがたが
いのちの尊さ・いのちの存在を伝えてくれている

 泣いている声をきいても、「はいよ~」と声をかけたくなる。おむつを替えるときにも「おしっこ出たね~」と言いたくなる。おっぱいを飲みたくなると泣いて、おっぱいを飲んでまどろんでいる表情を見て、生きるために懸命に存在している姿がただいとおしく思えました。
 母親は懸命に初めての育児に取り組んでいました。母親は、夜の授乳やおむつ替え、泣いた赤ちゃんを抱いて自分も起きていたのです。私は、自分が初めて出産した時のことを思い出していました。自分自身の精一杯の時を思い出しながら、今の自分が感じているのは、人生を通して積み重ねてきた経験の愛おしさ。この新しい体験から、私は自分を癒す機会を貰っているのだと感じました。大いなる癒しを経験させてもらいました。
 おばあちゃん。新しく生まれたいのちを無条件に可愛いと感じていました。
 いのちのつながり、いのちの尊いつながりにであったことが「目に入れても痛くない」ほどに可愛いと思える、その心なのかもしれないと感じていました。

絵本
『赤ちゃんのはなし』マリー・ホール・エッツ ぶん・え
          坪井郁美 やく
          福音館のかがくのほん

福音館のかがくのほん

「はじめは、とても目のいい人でも やっと見えるか見えないくらい小さなものでした。・・・・・・・・」

「この小さなものは卵でした。・・・・・・・・」

「ほらあなに住む大昔の人びとも、この小さな生命のもとからそだったのでした。おばあさんの おばあさんの おばあさん おばあさんも、おじいさんの おじいいさんの おじいさんの おじいさんんも、おばあさんの おばあさんの おばあさんも、おじいさんの おじいさんの おじいさんも、おこ小さな生命のもとからそだったのでした。そして、おかあさんも、やっぱり、この小さな生命のもとからそだってきたのでした。」・・・・・・・

この絵本は、人の繋がりだけではなく、地球がどれほど多くのいのちとともに長い長い時間を共にしてきたか、そのいのちの繋がりが私たち一人一人のいのちにつながっていることを、科学的な知見をもとにわかりやすく伝えてくれています。

いのち
ひとりひとり みな 大切ないのち 
生まれてくる前からすでに個性を持ちながら
ひとのつながりのなかで いきる いのち
あなたは たいせつな いのち
そのことを この絵本は伝えてくれています。